妊婦が難聴にかかった話
あれは妊娠5ヶ月後半のこと。私は難聴を患いました。
耳鼻科では具体的な病名診断をされていないのですが、経験則からは低音障害型難聴と思っています。
低音障害型感音難聴は難聴の一種です。急に発症します。朝起きたら、なんとなく耳がボーっとする。飛行機に乗ってるみたいな耳閉感がする。耳鳴りがする。音程が狂う。特に低音域が聞こえづらくなる、などなど色々な症状が現れます。内耳にリンパ液が溜まるのが原因ですが、なぜそうなるのかは不明で、ストレスとか、疲れとかと言われます。ちなみに私は低音障害型難聴には過去3回かかっています。割と繰り返す人が多いらしいですね……。
妊娠中の難聴について調べると、他に耳管開放症という病気が出てきます。耳管開放症は、鼓膜の奥の中耳と鼻の奥をつないでいる耳管がゆるんだ状態。症状としては耳閉感や自分の声が響く、自分の呼吸音が大きく聞こえる等。体位を変えると症状が軽くなるという特徴があるそうです。
ちなみに妊婦と難聴の関係を調べると、妊娠5〜6ヶ月目に耳管開放症になる方は結構多いようです。あとは出産後に難聴になる方は多いよう。
さて。
妊婦が低音障害型感音難聴になると困ることがあります。それは投薬治療ができないことです。
低音障害型感音難聴(や突発性難聴等)の治療には、まず、ビタミン剤+ステロイド剤(飲み薬や点滴)を使います。それでも治らないとイソバイドという利尿剤(超絶まずい)を飲むことに。
とにかく初期治療が大切で、治療開始が遅れれば遅れるほど完治しづらくなると言われています。
ここで問題になるのはステロイド剤です。妊婦にステロイド剤は基本的に禁忌です。特に妊娠5ヶ月目辺りでのステロイド剤は、胎児の形成に影響を及ぼす可能性があるため、よっぽどメリットが上回らないと妊婦への投与はしないとのこと。
今回耳鼻科に行き、妊婦と聞いて焦る先生。確かに左耳の低音域の聴力ががくんと落ちている。初期治療が必要なこともわかっている。しかし妊婦にステロイドが投与できない。
そこで先生が下した決断は、なんと「様子見」!「妊婦さんは強いから、薬飲まなくても治るかもしれないから!」とのこと……。まぁ、今回の難聴は過去3回と比較してもまだ症状が軽い気がしていたので、とりあえず先生を信じることに。3・4回通院しましたが、帰りには毎回「規則正しい生活してよく休んでね」と言われ続ける私……。
結論を言うと、2ヶ月ちょいで耳閉感や耳鳴りはなくなりました。比較的軽症だったからまだよかったそう。ただ左耳の音程のずれはしばらく治らず。更に時間が経ってからあまり気にならなくなりましたが……電話のコール音が左右で違うという現象はもはや面白かったです(笑)
と言う訳で、妊婦で難聴にかかった場合には、まずしっかり病院にかかること。検査を受けた上で先生の指示に従うこと。そして、まぁ先生の言う通りに妊婦は強いらしいので、あまり悲観しないこと。大丈夫、人間を0から作っている妊婦です、生命の神秘です。きっと治る、と信じていきましょう。
⇩第二子妊娠&産後に再び難聴にかかった話。