おうちのモヤモヤ退治

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『一汁一菜でよいという提案』は、一汁三菜から解放してくれる一冊

一汁三菜という言葉があります。汁物、主菜、副菜2品イメージとしてはお味噌汁、白米、メインのおかず(肉・魚)、野菜中心メニューが2品、というところでしょうか?

 

wikipediaではこんな感じです。

現在日本の一般家庭における日常の食事では、飯と汁に、食肉魚介類等の動物性の惣菜を主菜として1品、野菜海藻豆腐など植物性の惣菜を副菜として2品の一汁三菜が一例としてあげられている

 

和食の基本として使われるこの言葉ですが、実際にフルタイムの共働き(かつ残業あり)でやろうとするとなんとも難しい。育児しつつも厳しい。男飯的に、ご飯+おかずで済ませたいという気持ちも強い。丼ものとか、野菜炒めとか。

 

しかし和食の基本だし。「共働き&子育て中でもできる!」みたいに本やインスタやブログで見てしまうと、やらない自分がなんだかできの悪い人のように感じてしまう(比較することじゃないんですけどね)。品目多く食材を使って、バランスよくご飯を作るためにはやっぱり一汁三菜か……そんな風に感じていた時期がありました。

 

そんな時に出逢ったのが、土井善晴さんの『一汁一菜でよいという提案』です。

一汁一菜でよいという提案

 

土井善晴さんは料理研究家NHKの今日の料理にも出演されている有名な方みたいですね。そんな彼が、一汁三菜ではなく一汁一菜というのは心強い。

 

前書きはこんな一文で始まります。

 この本は、お料理を作るのがたいへんと感じている人に読んで欲しいのです。

 

私です!

 毎日の献立を考えるのがたいへんだという人が多いと聞きます。遅くまで仕事をしていると、家に帰ってからお料理をする気にもなれない。外のことを優先して、大切にすべき自分のことは後回しにしてしまう、ついおろそかにしてしまう。結婚してちゃんとしようと思っても、仕事をしていると食事の支度が負担になる。

 

というなんとも現代社会に生きる我々に寄り添うような、「そうなんです!」と言いたくなるようなお言葉……。

 

一汁一菜とは、ただの「和食献立のすすめ」ではありません。一汁一菜という「システム」であり、「思想」であり、「美学」であり、日本人としての「生き方」だと思います。

 

ここで土井さんが提案する一汁一菜とは、「ご飯、味噌汁、漬物」という食事の型。そもそも一汁三菜というのは歴史的に見て一般的な食事ではなく、毎日の食事で一般家庭が目指す必要はない、そんなに気負う必要はない、というのが土井さんの主張です。毎日の献立に悩みまくる必要はない、バリエーションの地獄に苦しむ必要もない。

こんなことをテレビで毎日日替わりで料理を紹介している料理研究家が言うだなんて!というか土井さん家の日々の食事が一汁一菜だなんて!とても心強いです。

 

 

「じゃあどんなお味噌汁を日々作るの?」となるのですが、この本にはそのレシピは載っていません。土井さん家のお味噌汁が写真で紹介されているだけ。そのお味噌汁にも、ウィンナーが入っていたり、卵が入っていたり、トマトが入っていたり……なんだろう、かなり自由です。私の人生では見たことがない種のお味噌汁です。なんでもいいんですって、具材。まずかったらまずかったでいいじゃないか。それを家族に責められることもない、という土井さんの主張。心強い!

 

この本を読んで、私の毎日のごはん作りは、心が軽くなりました。味噌汁だけあればいいし、どんな味噌汁だっていい。そう思ってから、とりあえず味噌汁。とりあえず味噌汁。そんな感じでごはんを作っています。私は毎日味噌汁でも問題ない人なので、ひたすら味噌汁です(夫は毎日は嫌らしいですが)。ちなみに味噌は自家製です、ただの趣味です。

 

料理研究家が書いた、レシピ本ではなく、一汁一菜というシステムの提唱本。かなり文字数が多く、土井さんの思想本というのが正しい気がします。毎日の献立に悩んでいる人にオススメです。