『アフロえみ子の四季の食卓』を読んで、自分の中の一汁一菜を楽しむ
1日が赤ちゃんのお世話&家事で過ぎていきます。でも何かもうちょっと「今日はこれをやった!」という実感が欲しい気分。授乳の合間(むしろ授乳中)に本を読もうと思います。あと映画ね。
というわけで今日の1冊。稲垣えみ子『アフロえみ子の四季の食卓』です。
稲垣さんは以前に『もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓』という本で第5回 料理レシピ本大賞【料理部門】エッセイ賞を受賞されているそうです。新聞社で論説委員や編集者を務めていた経歴の持ち主です。
この本では、彩豊かな一汁一菜の食事について綴られています。冷蔵庫のない暮らしをしているそうで、割と保存食について多く書かれています。レシピ本ではなくエッセイ本。帯には「季節の食材を使えば、一汁一菜でも、バリエーションは無限!」というキャッチコピーがつけられています。
一汁一菜と言えば、土井善晴さん。彼の『一汁一菜でよいという提案』という本が走りです。たぶん。
同じ一汁一菜だけれど、テンションが全然違います(笑)
土井さんはなんというか、一汁一菜について日本の歴史・慣習・風土と結びつけて、日本古来の食事について語っている感じです。文章も禅を感じさせるというか、お寺の早朝みたいな、静かで強い雰囲気を醸し出しています。姿勢を正して読んだ方がいいんじゃないかとすら思えるほどです。
対してこの稲垣さんの文章は、もっとあっけらかんとしていて軽快です。もっと実験的で、一汁一菜をワンパターンなんだけれどワンパターンととらえず、楽しんでいる様子が伝わってきます。「いいじゃないか!これって素晴らしいじゃないかヨ!」と。 気軽に気楽に読めるエッセイです。春・夏・秋・冬と分かれているので、その季節にそのパートを読み直すのもいい気がします。
また土井さんの本は、料理の写真は基本的に写真だけなのですが、稲垣さんの本はそのメニュー(材料)が写真に添えてあります。土井さんの本で「お味噌汁の具は自由って言ったって、そうは言っても何入れればいいのよ」となる人には稲垣さんの本もいいんじゃないかな。味噌汁にだし入れない辺りは親近感です(笑)
ちなみに、途中から保存食についての記述が多くなってきます。漬物と干物。冷蔵庫なしの生活をしているそうなので、自然とそうなるんでしょうね。結構ノリノリで漬物したり干物したりしているので、読んでいると「あ、これ私にもできるんじゃない?」と、こっちまでノリノリになってきます。
ぬか漬けはちょっと癖がありますが、最後の方に載っていたおから漬けなんかは簡単で良さそう。私も保存食作りには憧れがあるので(理由:食べ物を自分で作れるってすごいと思う)、ちょっとやってみようかなーと気軽に思ったりしました。