憧れのブランドを、着こなせなかった頃の話。
憧れの服のブランドって、ありましたか?
私にはありました。中高生の頃はvivienne westwood。大学生の頃からはコムデギャルソンとヨウジヤマモト。パターンが美しく、身体を概念で形作るような服は、本当に雑誌で見ていて惚れ惚れしました。
しかし私にはお金がなかった。そう、お金がなかった……。
お金がないので新品をショップで買えやしません。そこで古着屋さんで購入して着てみました。憧れのブランドの服にテンションがあがり、大事に特別な日に着よう!とし、いざ着ると、なんだかこれであっているのか不安になり……不安な気持ちで着て、そしていつだか手放してしまいました。
あの頃の私は、自分の中で特別なその服を着る自信がなかった。着るなら完璧に着こなさなければならないと思っていました。デザインが強いブランドですしね。その憧れの気持ちと、実際に着た自分との差に、気恥ずかしい思いを抱えていて、諦めてしまっていました。
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さてそんな私ですが、ここ2年程はデイリーでme ISSEY MIYAKEやコムデギャルソンコムデギャルソンを着ています。イケイケどんどん!心情的に、気恥ずかしくなく着られるようになりました。
何故なのか。それは服の数を絞り、その服達が特別着でなくなったからです。
少ない服で過ごそうとすると、必然的に憧れブランド服も一軍使いしないといけなくなりました。躊躇せずに着ざるを得ない。比較的日常使いできるデザインのものが多かったのも要因かとは思いますが、着ていると、気恥ずかしさってどんどんなくなるんですよね。いちいち気恥ずかしがっていられないですしね!(笑)
そうやって強制的に着続けた結果、私の中で手の届かなかった憧れのブランドは、私が恐れなく着られる、自分が普段着ているブランドになりました。
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昔は記事タイトルの通り、憧れのブランドを着こなせなかったです。じゃあ慣れた今着こなせているのかと言われると……格好良く着られているかというと、どうでしょう?それはさて置き、心理的には昔よりもフィットしていると思います。
何も憧れのブランドを普段着にしよう、という話では全くありません。とっておきの1着は、心うきうきする1着は、クローゼットを煌めかせますしね。
ただもし、その憧れのブランドに対して切ない片想いしているような気持ちなのだとしたら。意外とデイリーユースして沢山着てみると、距離がぐんと近づくんじゃないかと思いました。だって自分がよく着ている服なんだから。
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ちなみに今、私は通販で購入して届いたコムデギャルソンのワンピースを前に途方に暮れています。えー、画面で見た時は背面が繋がってると思ったんだけどなー……背中が空いてるというより、重ねるだけで綴じられていない背面。ぐぬぬ、デイリー使いできるように格闘しようと思います。