おうちのモヤモヤ退治

余白がほしい

モヤモヤを退治したくて。家や服のことなどを。

『ズバ抜けて頭がいい人の「本棚」は何が違うのか』を読んで、本棚の新陳代謝について考える

ミニマムな生き方を考えた時、本好き人間がぶち当たる壁があります。それは所有している本を手放せない問題です。これってかなり大きな壁です。女性が「服を捨てられない〜」どころじゃない難易度の高さです。

 

本好きが考える、本を手放せない理由を考えてみます。

・中身が劣化しにくい(情報やトレンドものは別)

・何かあった時にすぐに見れるように手元に置いておきたい

・本を「捨てる」という発想は全くないし、なんか嫌

・本を「捨てる」=「ガラクタ」であり、自分を否定されてるように感じる

・本棚に並んでいるのを見るのが好き(コレクションに近い)

・本棚に並んでいるのを見ると自分の歴史のようなものを感じ、博識に感じる

・本を売った時の買取値にショックを受けそうで怖い

 

こんな感じでしょうか?

私自身も、本好きな父親に育てられ、幼少期から連れて行ってもらえる場所はブックオフみたいな生活をしていたため、本は増える一方です。引っ越しのタイミングでちょいちょい売りに行ったりはしましたが、「減るペース<増えるペース」なので、結局は増えちゃうんですよね。

 

今回は成毛眞『ズバ抜けて頭がいい人の「本棚」は何が違うのか』を読んでみました。

著者の成毛さんは日本マイクロソフト代表取締役を務めた方だそう(すみません知らずに買いました)。ちなみにタイトルの「ズバ抜けて頭がいい人」というのは成毛さんのことです(笑)著名な方々の本棚の話ではありません。もともと2014年に出版したハードカバーの『本棚にもルールがある』を文庫化したのが当本です。

 

一般的な整理収納の本だと、「最近読んだ本を右側に移し、左側にある本は読んでいない本だから処分対象」だとか、「コレクションという概念を捨てる」とか、「本棚(収納スペース)に入らない本は捨てる」とか買いてありますよね。ただこれって正直、割と否定されてる感が強いというか……読書好きの人に向かって一概に「処分しろ」というのはかなり危険です。「本を読まない君に何がわかる!」と心は硬くなる一方です。

 

その点、当本は年に200冊は読書する読書家の成毛さんが書いているため、第一関門はクリアです。前書きにこんな文があります。

しかし、私は本好きである。メンテナンスをしなければただただ増えていく本の中で暮らす運命の下に生まれたようなものだ。であれば、その運命を受け入れて、かつ、増えていく本に翻弄されることなく、こちらからコントロースする術を身につける必要がある。 

 

また「気になった本は片っ端から買うべきだ」とも書いており、 そう、そうなんですよね!という気分にさせてくれます。「本が好きだ」「新しく本を買ってもいいんだ」という自分の気持ちを肯定してあげることが大切です。ここでやっと腑に落ちて、「モノが主役ではなく自分が主役」的なところに辿り着けます。

 

さて本著で心にグサッとくることがあります。それは「本棚にも新陳代謝が必要である」ということです。

本棚とは自分の頭の外付けハードディスク。その外付けにゆとりがなかったり、多様性がなかったり、変化がないというのは、自分自身が新しいことを受け入れられなかったり、画一的で成長しない人間だということになってしまいます。これは恐ろしいですね。定点観測してみるとよく分かるとのこと……耳が痛い……。

 

勿論、本当に大切な本だったら手放す必要はありませんが、本棚を新陳代謝させることで自分の知識レベルが上がると言われたら、それはそれでわくわくするような気分になります。目次をざっと見るだけでも面白いので、本好きで、本が手放せないというかたは一度手に取るだけでも楽しいと思いますよ。